製薬業界の再編に伴う求人増加の波
製薬業界では、内・外資系メーカー問わず全体的に再編・M&Aの動きが顕著になっています。
そのため、リストラが起こり各専門分野のなかで組織構成のアンバランス化という問題が生じています。業務の細分化が進み、より専門分野に特化した人材が求められるようになっているのです。それに伴い、各分野での採用活動が活発に行われ、どの分野においても即戦力が求められています(医療業界で約80%の方が同じ業界で転職しています)。
外資系製薬メーカーでは、国内での臨床開発部門の強化により、いち早く市場へ新薬を上市・販売させるために、開発職やMRなどを大幅に増員しています。そして内資製薬メーカーでは、海外での新薬開発を推薦しているため、英語によるコミュニケーション力のある人材を積極的に求人しています。
また、改正薬事法により製薬メーカーがアウトソーシングを行えるようになったのを受け、CRO、SMO、CSOなどの新薬関連サービス企業の求人活動も活発化しています。これらの企業では特に製薬メーカー出身の人材を積極的に採用しているのです。
職種別詳細
- MR
- 外資系製薬メーカーの数社では、既に海外で販売されている有力製品の日本市場での販売拡大を目的に、数10人の単位で積極的に中途採用を行っています。ただし、同じMRでも新薬のパイプラインを持っている新薬開発型メーカーと既存品に頼っている既存医薬品販売型メーカーでは、働き甲斐・年収・将来性において格差が出てきているのも事実です。
- CRA(モニター)
- CRA採用の需要は製薬業界全体で非常に高く、常に求人募集があります。また、CRAは臨床開発業務のなかで人気職種といえます。しかし一般的には、製薬メーカーでの経験があったとしてもCRAのキャリアをCROなどで積まなければ転職できないのが現状です。
- 臨床開発
- 臨床開発の研究・試験などで企業間格差がますます顕著になるなか、求められているはリーダーシップ力とその会社の得意とする専門領域の知識を持つ人材です。また外資系製薬メーカーを中心にグローバルな臨床開発の“核”となりつつあり、英語力は必須となっています。しかし、各企業で求められるキャリアは開発状況により微妙に異なります。
- 薬事、GCP監査
- 1997年の新GCP施行以降、開発コストの増大、開発期間の長期化および世界的新薬不足のなかで、薬事担当の役割はますます重要になってきています。製薬業界の再編・M&Aが進んだ結果、大手メーカー数は減少傾向が続く一方で、CROやバイオベンチャーなどの新興勢力からの薬事担当の求人が増えています。しかも、薬事担当は業界内での経験者の絶対数が少ないため、今後も売り手市場が続くでしょう。